就労ビザの種類

就労ビザは、日本で働くために必要な在留資格です。日本では職種や業務内容に応じてさまざまな就労ビザがあり、申請者の経歴や日本での活動内容に基づいて適切なビザが発行されます。よく使われるビザの種類を簡単にまとめました。

技術・人文知識・国際業務ビザ

日本で働く外国人が最も多く利用する就労ビザの一つです。このビザは、専門知識や技術を活用する職種を対象としており、大学卒業や職務経験が要件とされています。

  • 対象職種:エンジニア、翻訳・通訳、デザイナー、マーケティング担当者など。
  • 要件:学士号(大学卒業)または実務経験(原則10年以上)が必要。
  • 特徴:日本の企業や団体で専門的・技術的な業務を行うためのビザ。

高度専門職ビザ

日本で高度な専門知識や技術を持つ外国人を優遇するための在留資格です。通常の就労ビザと比較して、いくつかの特典が与えられ、特に永住権の取得が早くなる点が大きな特徴です。

  • 対象者:高度な学歴、職務経験、年収などで高ポイントを取得する専門家。
  • 要件:ポイント制(学歴、職歴、年収、研究実績などで70ポイント以上)。
  • 特徴:通常のビザより優遇措置があり、家族の帯同や永住権取得が容易。

技能ビザ

日本で特定の技能を持つ外国人が働くために必要な在留資格です。このビザは、伝統工芸や料理、建築、その他の専門的技能を要する職種で日本に滞在し、働くために設けられています。

  • 対象職種:調理師、外国料理のシェフ、大工、ソムリエなどの技能職。
  • 要件:特定の技能を有し、かつ実務経験があること。
  • 特徴:資格や技能の証明が重要。

特定技能ビザ

特定技能ビザは、日本の人手不足が深刻な産業分野で外国人労働者を受け入れるために設けられた在留資格です。

  • 対象職種:介護、建設業、宿泊、農業、飲食料品製造業などの14分野。
  • 要件:技能試験および日本語試験の合格、または技能実習を良好に終えた技能実習生であること
  • 特徴:中長期的な就労を目的とするため、2019年4月に新たに創設された。

次の2種類に分類されます。

特定技能1号:特定の分野で働くことができるビザで、最長5年間の在留が可能。
特定技能2号:さらに高度な技能を有する人が対象で、家族の帯同が認められ、在留期間の更新が可能。「建設業」「造船・舶用工業」の二分野のみ。

定住者・特定活動・短期滞在ビザ

定住者ビザ

定住者ビザは、日本での長期滞在が特別に許可された在留資格で、職種や活動内容の制限がほとんどありません。主に家族関係や歴史的・社会的背景に基づき発給されます。

  • 対象者:日本人の配偶者または子供(ただし、日本人配偶者ビザではなく「定住者」として認められる場合)
    日系人(例:日系二世・三世)
    難民認定者
    特別な事情を持つ外国人(例:離婚した日本人の配偶者で子供が日本にいる場合)
  • 在留期間:1年、3年、または5年のいずれか。更新が可能。
  • 活動制限:特定の活動に制限はなく、日本での就労が可能。

特定活動ビザ

特定活動ビザは、通常の在留資格では対応できない特別な活動を目的とした外国人に発給されるビザです。活動内容は法務大臣が個別に指定します。

  • 対象者ワーキングホリデー(日本と協定を結ぶ国の若者が対象)
    医療滞在(長期治療目的で来日する患者とその家族)
    企業内研修(研修やインターンシップを目的とする場合)
    介護(外国人技能実習修了者が介護職に従事する場合)
    特定研究(学術的・技術的な特定の研究活動)
  • 在留期間:数ヶ月~5年の範囲で、活動内容に応じて決定
  • 活動制限:ビザに明記された活動以外の就労や行動は原則禁止。

短期滞在ビザ

短期滞在ビザは、観光、親族訪問、または商用目的で短期間日本に滞在する外国人に発給されます。

  • 対象者:観光目的:旅行、観光。
    親族訪問:日本在住の親族や知人を訪問。
    商用目的:会議、契約交渉、ビジネスミーティングなど。
  • 在留期間:15日、30日、または90日(いずれも延長不可)。多くの場合、短期滞在ビザでの就労は認められない。
  • 活動制限:収入を伴う活動は禁止。

行政書士が複雑な手続きを代行することにより、不備が多いケースや難易度の高い案件でもスムーズに申請することができます。

不安なことがあれば、ぜひご相談ください。